久保木博之さんへのラブレター #08

それにしても、久保木さんというのは不思議な人だ。

なにが不思議って、どの動画を見ても少しずつ感じが違うのだ。
髪型なのか、体型なのか。いや、顔立ちまでもがすべて違ってみえる。
すごく可愛い顔をしていることもあれば、妙におじさんっぽく見えるときがあったり。
なにか、ひとつの型に定まらないのだ。

いったい、どれが本当の久保木さんなのか。
そして、どの久保木さんを見ても好きだと思える自分の心情が、また不思議でならない。

恋は盲目って、こういうことをいうんだろうな。


さらに、鈴木さん、田代さん、佐藤さんの3人がデビュー当時から再集結に至るまでほとんど変化を感じないのに対し、久保木さんだけは年代ごとに印象がかなり変わっている。

デビューから間もない全盛期の頃は、まだどことなく少年のような面差しをしている。
童顔だから、ひげ生やしてたのかな。

見た瞬間、

(なにこれ、久保木さんってめちゃくちゃ可愛い)

と、思わず大興奮。

とくに横顔がいい。意外と彫りが深くて、鼻筋もきれい。
その整ったプロフィールでやや上向き加減に歌う久保木さんが、とにかく、すっごく、可愛いのだ。

と思った直後、ふと我に返る。

実際には私の方が20歳下だとしても、この頃の久保木さんは、今の私より20歳以上も若い。
そんな、自分の子とさほど年が変わらない男の子の映像を見ながら、

(久保木さん可愛い、好き)

と、メロメロになっている自分はさすがに気持ち悪く、ちょっと引いてしまう。

一転して、30代の久保木さん。この頃の久保木さんは、なんともいえない男の魅力を醸し出している。
ステージに立つ久保木さんの、表情の1つひとつ、指先から足先の動きの1つひとつ。とにかく、すべてが素敵なのだ。

ある動画など、久保木さんの大人の色気がだだ漏れで、思わず悶絶してしまう。
某フェスティバルの映像なのだが、この動画だけは一日に一度は見ずにいられない。

だけど、

(久保木さんカッコいい……)

と、一瞬でも思ったが最後。
涙腺が一気に崩壊してしまうので、メイクして出かける前とか人前では自重しなければならない。
思い出すことも厳禁である。
この動画が消されたら、私もう生きていけないかも……。

考えてみると、ラッツ&スターが私の住む町でコンサートをしたのは、彼らがちょうど30歳を少し過ぎた頃。
遠目すぎて全体像しかわからなかったけど、こんなにカッコよかったんだな。あのときの久保木さん。
もっとも、小学生の私にはおじさんにしか見えてなかったかもしれないけど。