渚のスーベニール/サマー・ホリデー

この二曲、どうしてもイメージがかぶってしまう。そんなことない? 私だけ?
『夏の夜の浜辺』っていうキーワードが一致するからかな。

とは言っても、“渚のスーベニール”には夏ってキーワードは別に出てこないんだけど。
でも、きっと夏だよね。勝手なイメージだけど、多分、夏の始まり。恋の始まり。
甘い歌詞も、高揚感のあるイントロも、心躍るような曲調も、すべてが始まったばかりの恋を連想させる。

それに対して、“サマー・ホリデー”は冒頭の田代さんのセリフからして、すでに失恋ソングだ。夏の間、気持ちを確かめ合い、夏の終わりとともに恋が終わる。そんな歌。

なんとなく、二曲合わせてひと夏の恋を連想させる。発売日も近かったみたいだしね。


この二曲でいうと、“渚のスーベニール”は“憧れのスレンダー・ガール”のカップリングだし、“サマー・ホリデー”はシングルA面。
なんとなく、“サマー・ホリデー”の方が地位が高い気がする。
“憧れのスレンダー・ガール”は、その世代の人にはそれなりに知られてるんじゃないかと思うけど、B面の“渚のスーベニール”になると知名度はガクンと下がる。多分、下がるんじゃないかな。当時を知らないから、あくまでも想像だけど。

でも、私は“渚のスーベニール”の方が好き。めちゃくちゃ好き。なんたって、ランキングでいえば“浮気なエンジェル”に次ぐBEST2だからね。

【シャネルズ/ラッツ&スター】の曲 BEST12

まず、インパクトのあるイントロで、最初からガッチリ掴まれる。あのちょっと粗削りな感じのファルセットは新保さんかな。勢いがあって力強いコーラスは全部、とりあえず新保さんだと思ってるんだけど。合ってる?
とにかく、あのイントロが始まった瞬間、心が揺さぶられてしまう。

そして、佐藤さんの「Oh baby」のあとの「Hey!」とか、田代さんのソロパート直前の「Kiss!Kiss!」とか、ちょっと陳腐なくらいにわかりやすい合いの手がいい。

あとは、鈴木さんの声がすごく優しい。間違いなく鈴木さんの声なんだけど、どこか違う。
いつもの鈴木さんの声というか歌い方って、網を投げて魚を囲い込む置網漁業みたいなイメージなんだよね。声を内側に巻き込んでいくみたいな。
だけど、“渚のスーベニール”を歌っているときは、どちらかというと放流スタイル。声が放射状に外へ広がっていく感じ。
“め組のひと”なんかもその傾向があるけど、あの歌い方がいちばん顕著なのは“雨の日のローラ”だな。

一方“サマー・ホリデー”はというと、ハイライトはなんといっても田代さんのセリフとソロパート。そして、桑野さんのトランペット。
少女のイメージが強かった“渚のスーベニール”から一転、大人の階段を上り始めたような雰囲気がある。

なんで、別れちゃったんだろ。ママに引き離されちゃったのかな。
と、“渚のスーベニール”の歌詞を思い返しながら、ちょっと思う。

「ママには内緒でひとりきり 渚まで駆けてこい」

なんか、いいよね。ひとりでこっそり家を出て、浜辺に向かって走ってゆく少女の姿が目に浮かぶ。

PEPPERMINT TWIST

リードボーカル、田代まさし。
シャネルズのアルバムに収録されているカバー曲のうち、私が2番目に好きな曲。

田代さんリードボーカルの曲はいっぱいあるけど、そのほとんどがスローなラブ・ソング。
シャネルズ時代なら、

“涙のテレフォン”
“パシフィック(夏は罪つくり)”
“恋愛専科”

とか、この辺り。
ラッツ&スター以降の曲だと、

“One Dream Night”

でしょ。

“夏の光と影”
“You Can Win”

なんて、オールファルセットだよ。

カバー曲も“PEPPERMINT TWIST”のほかに“SILHOUETTES”とかあるし。

個人的には、田代さんの曲というと“恋愛専科”が好きだったな。小学生の頃は。
今思うと、小学生が聴くような曲じゃないけど。

でも、“PEPPERMINT TWIST”はもっと好きだった。
オリジナル曲とあわせても、ランキング上位に食い込むくらいには好きだったんじゃないかな。

田代さんは、声も歌い方も顔も動きも…あ、動きは見たことなかったか。当時は。
まぁ、とにかく田代さんって、小学生当時の私が聴いてもビターチョコレートみたいな甘い声してて、歌い方も粘度が高めだから、しっとりとしたラブ・ソングを歌われると、ちょっと胸やけしちゃうんだよね。あくまでも個人的な意見。

ところが、あの粘着質なチョコレートボイスでポップなナンバーを歌われると一転、そのねちっこさが癖になる。
“BOOGIE WOOGIE TEENAGE”の田代さんのパートもいいし、“ダウンタウン・ボーイ”の「みんな一人で 産まれて来たのさ 生きるのも一人で 死ぬのも一人さ」の、ちょっと投げやりに聞こえる感じも好き。

改めて聴いてみると、小学生の頃はスロー・ナンバーだと思って聴いてた“恋愛専科”も、田代さんの曲の中では結構ポップな部類に入ることに気付いた。
病みつきになるはずだわ。
そして多分、“You Can Win”もこっち寄り。


本家 Joey Dee & Starliters が歌う“PEPPERMINT TWIST”はサラッとした高音だし、どっちかというと久保木さん向きな曲だと思うけど、それを田代さんが歌ってるっていうのが面白い。

浮気なエンジェル

ラッツ&スター(シャネルズ)の曲といえば、やっぱり“ランナウェイ”か“め組のひと”、もしくは“夢で逢えたら”を挙げる人が多いと思うんだけど、私にとってシャネルズの曲といえば“浮気なエンジェル”。
一瞬たりとも迷わず“浮気なエンジェル”だ。

単純に「ノリがよくて楽しい曲だから」というのもあるんだけど、それだけじゃない。

私にとってラッツ&スターとはUMAのような存在で、ラッツ&スターというグループの情報源は当時レコードの中にしかなかった(ということは『久保木博之さんへのラブレター』のなかでも書いていたと思う)。

田代さんや桑野さんがコントをやっているのはリアルタイムで見てたけど、そもそもラッツ&スター自体がギャグやコントを好んでやっていたのだということは、まったく知らなかった。
多分、今回、久保木さんにどハマりして、いろいろ調べているときに知ったんだと思う。

多分というのは、今さらそれを知っても全然驚かなかったし、意外だとも思わなかったから。
「もしかして、本当は前から知ってたんじゃね?」
と、自分でもちょっと思ってるくらい。

意外に思わなかったのは、きっと私がラッツ&スター(シャネルズ)のヒット曲だけでなく、まんべんなくいろんな曲を聴いていたからだと思う。

そんななかでも、“浮気なエンジェル”はラッツ&スターの個性がぎゅっと詰まった曲だ。
フロントメンバー1人ひとりのキャラクターとか、コミカルなことをやってるグループなんだなとか、そういうことが手に取るようにわかる。
そういう意味で、私にとって“浮気なエンジェル”はラッツ&スターそのものなのだ。


あとは、まぁ、単純に女の子は憧れるよね。

「どうして可愛いの?そんなに」
「夢中だよ、誰もがイカれてるよ」

こんなこと、誰だって言われたいに決まってる。
“浮気なエンジェル”は、女の子たちにそんな夢を見せてくれる曲。
まぁ、私はもう女の子って年ではないけれど、ラッツ&スターを聴いてるときだけは、ついつい10代の女の子に戻っちゃうからね。

でもね、このエンジェル。
タイトルは“浮気なエンジェル”だし、歌の中でも「誰にも気のありそうな」とか言われてるけど、本当はそんな移り気な女の子じゃないんだと思う。

エンジェルの胸のロケットには、心に決めた人の写真が入っている。
とても笑顔の素敵な女の子で、男の子たちはみんなメロメロになるんだけど、彼女にはすでに心に決めた人がいるから、誰に声をかけられても振り向かない。

可愛い女の子が、にっこり笑いかけてくれる。
(=自分に気があるに違いない)
それなのに、なぜか振り向いてくれない。
(=浮気な子)

“浮気なエンジェル”は、そんな男の人の勘違いが目いっぱい詰まった、愛すべき曲だ。


あと、これも知らなかった(忘れてた?)んだけど、“浮気なエンジェル”って“週末ダイナマイト”のB面曲だったんだね。
“週末ダイナマイト”のシングル盤、母が持ってたな。
全員が違う衣装を着て、こちらに駆け寄っててくる、あのカラフルなジャケット写真。
あれ見てたら、同級生や幼なじみが集まってできたバンドだって知らなくても「仲のいいグループなんだろうな」って、なんとなくわかるもんね。


(追伸)今、私の心のロケットにいるのは、やっぱり久保木さんです。
久保木さん、元気かな。


夢で逢えたら

YouTubeで見つけた、あの年の紅白歌合戦。
再集結したラッツ&スターが歌う“夢で逢えたら”。

ああ、そうだった。
みんな、真っ白のスーツ着てたなぁ。
そうそう、田代さんのこのセリフ。
出雲さんが、レコードのジャケット写真で見てた出雲さんよりも、ちょっと恰幅よくなってて。

おぼろげながら、当時テレビで見ていたときの記憶がよみがえってくる。


大瀧詠一さんの作詞・作曲による曲。
100を超えるカバー曲が存在するという“夢で逢えたら”を初めてヒットさせたのが、男性ヴォーカリストの鈴木雅之さん率いるラッツ&スターだったというのは、有名な話。

素敵。なんか夢があっていいよね。


夢でもし逢えたら 素敵なことね
あなたに逢えるまで 眠り続けたい


改めて歌詞を見直すと、“トゥナイト”がひたすら「tonight!」を繰り返しているように、“夢で逢えたら”もほぼ上記の歌詞で埋め尽くされている。

それにしても、この“夢で逢えたら”という曲は、今の私の心情をそのまま映し出しているようだ。

ラッツ&スターに、久保木さんに、逢いたくて逢いたくて。
夢でもいいから、逢いたいと思う。
でも、目が覚めた瞬間、どれだけ切なく悲しい気持ちになるかも知っている。

ラッツ&スターの“夢で逢えたら”がヒットしたのは、「男性ヴォーカリストが歌う」という意外性や「ラッツ&スターが再集結で歌った曲」というドラマ性もあったのだとは思うけど、多分それだけじゃない。
女性ヴォーカリストの歌う“夢で逢えたら”は、ほのぼのとした恋の歌。
だけど、鈴木雅之さんが歌う“夢で逢えたら”には「素敵なことね」の裏に込められた切なさが、強く感じられる。

そこだと思うな。


あの記念すべき、第47回紅白歌合戦。
間奏中の田代さんのセリフ。

「デビュー16年。紅白初出場、ラッツ&スターです」

こうして文字にするとサラッとして見えるけど、この一行には多分メンバーそれぞれの、いろんな想いが詰まっているんだろうなと思うと、もうそれだけで何度でも泣けてくる。

「この曲をラッツのファンの方たちと大瀧詠一さんに捧げます」

現役時代を知らない私でも、そのファンのひとりに入れてもらっていいのかな。


夢でもし逢えたら 素敵なことね
あなたに逢えるまで 眠り続けたい


どんなに逢いたいと思っても、朝になれば起きなきゃならない。

だから、今夜はもう寝よう。
おやすみなさい。

ちょっとでいいから、逢えたらいいな。

マドンナはお前だけ

ラッツ&スター以降の曲としては、めずらしくドゥーワップらしいドゥーワップ。
この曲に惹かれるって、私やっぱりドゥーワップが好きなんだな。
私の心のBEST12には入らなかったけど、BEST15だったら多分入ってたと思う。

っていうか、BEST12を“雨の日のローラ”にするか“マドンナはお前だけ”にするかで、結構悩んだんだよね。

前にも書いたことあるけど、この曲のマドンナは私のなかで“月下美人(ムーンライト・ハニー)”のハニーと重なる。

ヒロイン像は全然違うんだけどね。どっちも短調の曲だからかな。

そのせいか、“月下美人(ムーンライト・ハニー)”のハニーには高飛車なイメージがあるけど、本当はこのマドンナみたいな傷つきやすい女性なんじゃないかって。
勝手に妄想のふくらむこと、ふくらむこと。


もうひとつ、“マドンナはお前だけ”から連想されるのは“ハリケーン”。

タイトルこそ「お前だけ」なんて甘い匂いを漂わせているものの、この曲も実際は「雨」とか「嵐」とか「ゆれて沈んでズブ濡れて」みたいな、心の荒み具合を表した箇所が多い。
それよりなにより、冒頭から鳴り響くティンパニの音は雷鳴以外の何ものでもないだろう。


ちなみにこの曲は、ラッツ&スターが合同結婚式のあと、某歌番組で花嫁さんたちを会場へ連れてきて、タキシード姿で歌った曲。

実はこの映像もYouTubeに上がってたんだけど、数えるほどしか見ないうちに消されてしまった。
あの動画、好きだったのにな。残念。

振りもシャネルズ時代とは違って、ちょっとジャズダンスっぽい感じ?
ダンスのジャンルはよくわからないんだけど、明らかに難易度が上がってる。

でさ、悔しいことに、そのときの久保木さんがホントにうれしそうで。奥さんの顔をのぞき込むときの表情が、すごく優しくて。久保木さんの奥さんも、ひとりだけずっと泣いてて。
ホントに悔しいけど、「幸せそうだな~」って思って見てた。

もう見れないのか、あの動画。


でも、これだけは言いたい。
“マドンナはお前だけ”ってタイトルはいいけど、あれ失恋ソングだからね!
タイミング的に仕方なかったのかもしれないけど、もうちょっと幸せそうな曲を歌ってもらうわけにはいかなかったのか。

私が19歳か20歳の頃、初めて彼氏ができたんだけど、そのとき彼氏の友だちが、

「お前らのために歌ってやるよ」

って、カラオケでサザンの“YaYa (あの時代を忘れない)”を歌い出したんだよね。
心のなかで思わず「失恋ソングだよ、それ!」って突っ込んだのと、本人も歌いながら少し気まずい顔してたこと、思い出しちゃった。

マイ・ラブ/夢見る16歳

車のなかでラッツ&スターの曲を延々と流し続けていたとき、曲が“マイ・ラブ”に変わってしばらくすると、後部座席に乗っていた中学生の娘が突然、

「この歌いいね」

と、言い出した。

「こういう歌が好きなの?」

ときいてみたら、

「私、恋愛ソング好きなんだけど、最近の歌って表現が遠回しな歌詞が多いからさ」

うんうん。

「リンリンリリンって歌あるでしょ」

はいはい、フィンガー5の“恋のダイヤル6500”ね。

「あの歌の女の子のソロパートの歌詞とか、可愛くて好きなんだ」

「あなたが好~き、死ぬほど好~きってやつね」

「そう。だから、こういう感じの歌も好き」

「昔の恋愛ソングは歌詞がストレートだからね」

「それな」

私と似てるのは顔だけで趣味嗜好はひとつも一致しないと思っていた娘と、まさかこんなところで話が合うとは思わなかった。


佐藤さんソロのラブ・ソングというと、佐藤善雄×桑野信義ボーカルの“夢見る16歳”の方が人気も知名度もあるイメージだけど、実は私は昔から、佐藤善雄×鈴木雅之ボーカルの“マイ・ラブ”の方が好きだった。

だから、娘が「いい歌」って言ってくれたのが、ちょっとうれしい。


どちらもゆったりとした、すごく可愛くてロマンティックな雰囲気の曲。

“夢見る16歳”は、桑野さんが16歳の少女の気持ちを、佐藤さんがちょっと大人な男性の気持ちを、掛け合うように歌っている。
桑野さんの透明感ある声を引き立たせるためか、この曲で聴く佐藤さんの声はほかの曲より一層低い。

一方で“マイ・ラブ”は、“木綿のハンカチーフ”の男女逆バージョン。都会へ旅立っていった恋人を遠くから見守り、やがて離れていく彼女の気持ちに心を傷める曲。
“木綿のハンカチーフ”とか“夢見る16歳”みたいな男女の掛け合いではなく、鈴木さんが彼氏の本音を、佐藤さんが彼氏の建前を歌っている。

優しく語りかけるような佐藤さんの低音と、絞り出すような鈴木さんのハスキーボイス。どこか寂しげなフルートの音色……。


そういえば、YouTubeにアップされた新宿ルイードのライブ音源のなかに“マイ・ラブ”の入ってる音源がひとつあるんだけど、その“マイ・ラブ”の本音パートを歌ってたの、鈴木さんじゃなかったな。多分、桑野さん。
桑野さんのシャウトもかなりよくて、このバージョンもありだなと思った。


で、実はステージで“マイ・ラブ”を歌ってる動画もひとつあるんだよね。

あるんだけど、佐藤さんがあの甘い低音で愛を囁きながら客席に近づいて、ステージの上に足を投げ出して座り、客席の女の子たちに向かって語りかけるように歌うわけ。あのルックスで。

あれは、さすがにズルいでしょ。
あんなことされたら、目の前の女の子たちメロメロだよ。
多分、みんな惚れちゃうね。私以外。

(追記)あとで確認したら、この動画でも桑野さんが鈴木さんパートを歌ってた。この曲のソロは鈴木さんか桑野さん、どっちが正解なの?

【シャネルズ/ラッツ&スター】の曲 BEST12

ベスト12って、めちゃくちゃ中途半端。
本当はベスト30くらい選んでみたかったけど、横並びに好きな曲が多いので難しかった。
かといって、ベスト10ではちょっと物足りないし。シャネルズが常連だったという歌番組のタイトルではあるけど。

で、ベスト12。1ダース。

とはいえ、さすがに40年も聴き続けていると多少なりとも好みは変わる。小学生がアラフィフになってるわけだからね。
そこで、“初めて聴いたときの衝撃度”と“今改めて聴いても「好き」と思えること”を基準として、順位付けしてみた。

ちなみに、カバー曲は入れてない。オリジナルソングのみ。

「え?」という結果になるかもしれないけど、個人的な嗜好なので許してほしい。



……というわけで、12位から。


<12位> 雨の日のローラ

作詞:湯川れい子 作曲:和泉常寛
Vo:鈴木雅之

シャネルズ時代の曲にはない、大人のラブソング。いつ聴いても、なぜか鮮度が高い。


<11位> 愛しのアンナ

作詞:田代マサシ 作曲:鈴木雅之
Vo:新保清孝

ヤングアダルト向けラブソング。とてもシャネルズらしい、鈴木さんと田代さんらしい曲。


<10位> 今夜はフィジカル

作詞:麻生麗二 作曲:井上大輔 
Vo:鈴木雅之

クールでファンタスティック。この辺から、ラッツ&スターもアダルト路線に?
※成人向けではなく、大人向けという意味で。


<9位> 星空のサーカス

作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一
Vo:鈴木雅之

シャネルズ時代を回顧するかのような、Doo-wop。大瀧さんらしい透明感のある曲。


<8位> 恋の4回戦ボーイ

作詞:麻生麗二 作曲:鈴木雅之
Vo:久保木博之

ユーモラスな中にもペーソスが織り混ぜられた、ほろ苦い恋愛ソング。


<7位> 渚のウエディング・ベル

作詞:湯川れい子 作曲:井上大輔
Vo:鈴木雅之

とにかく甘い。これを聴くと、もう1回結婚したくなるので要注意。


<6位> 憧れのスレンダー・ガール

作詞:田代マサシ 作曲:鈴木雅之
Vo:鈴木雅之

これは説明いらないでしょ。シャネルズの名曲のひとつ。


<5位> もしかして I LOVE YOU.

作詞:田代まさし 作曲:松村邦男
Vo:鈴木雅之/鈴木聖美

デュエットしたくてもできない(歌える人がいない)、隠れた名曲。


<4位> 彼氏になりたい

作詞:麻生麗二 作曲:井上大輔
Vo:鈴木雅之

ポップな曲調と、切ない歌詞のコントラストがたまらなく好き。


<3位> ダウンタウン・ボーイ

作詞:田村勇気 作曲:鈴木雅之
Vo:鈴木雅之

ポップな曲調と、泥臭い歌詞のコントラストがたまらなく好き。


<2位> 渚のスーベニール

作詞:田代マサシ 作曲:鈴木雅之
Vo:鈴木雅之

好き。イントロ聴いた瞬間、心を奪われる。


<1位> 浮気なエンジェル

作詞:田代マサシ 作曲:鈴木雅之
Vo:鈴木雅之/久保木博之/田代まさし/佐藤善雄

理由はいらない。好き。もう、とにかく好き。



まさか“浮気なエンジェル”が1位とは、誰も予想しなかったに違いない。

“ランナウェイ”はどうした!シャネルズ4部作は!!
“め組のひと”はどこ行った!?
“Tシャツに口紅”は!?
“夢で逢えたら”は!!?

って声が、どこからともなく聴こえてきそう……。

11位、12位あたりは、私もさすがに迷ったんだけどね。

恋は命がけ/恋の4回戦ボーイ

本当は、久保木さんのソロはまだ取り上げるつもりなかったんだけど、今日たまたまYouTubeで見つけちゃったんだ。

新宿ルイードのライブ音源による“恋は命がけ”。

いや、まさかと思ったよ。
久保木さんのソロの生歌なんて、“SPEEDO’S BACK IN TOWN”しか聴けないと思ってたから。


『SOUL SHADOWS』と『ダンス!ダンス!ダンス!』は、母が持っていた4枚のアルバムのなかでも、とくによく聴いていた。


だから、久保木さんソロのこの2曲も、かなり聴き込んでいるつもり。どっちも結構好きだったし。

当時は、久保木さんのことがとくべつ好きだったわけじゃないんだけどね。

明るいメロディーの中に切なさを感じる曲が、子どもの頃からわりと好きだったんだと思う。


とくに“恋の4回戦ボーイ”が好きだったな。
イントロもいいし、ノリもいいし、歌詞もいい。
「ちょっとコッチを向いて 彼女お話したいよ」とか、ストレートで切実な感じにきゅんとくる。
で、サビの「こんな気持ち 初めてさ」で、完堕ち。

今なんて久保木さんが好きでしょうがないから「実際、久保木さんってこういう恋をしてきた人なのかな」とか想像すると、もうジェラシーで妬け死にそうだよ。


そして、この“恋の4回戦ボーイ”という曲は、なんといっても久保木さんの声がいい。

久保木さんのソロって、どれを聴いてもちょっとずつ声が違う。
結構、声をつくってる人なんだと思うな。

“SPEEDO’S BACK IN TOWN”での、やんちゃな歌声。
多分、もともとちょっとハスキーなんだろうな。そこを強調すると、あの声になる。
一種のキャラづくりか。

“恋は命がけ”も“SPEEDO’S BACK IN TOWN”の声に近い。ただ、一応こちらは恋の歌なので、もうちょっとソフトな感じ。

で、“恋の4回戦ボーイ”。
久保木さんのソロパートってだいたい可愛い感じなんだけど、この曲で聴く久保木さんの声は、可愛い中にも男っぽさがチラチラ見え隠れしてる。


久保木さんって、だみ声で喋っていたかと思えば、“浮気なエンジェル”で聴かせるような中性的な声を出したり、かと思うと“ラブ・ミー・ドゥ”とか“BAD BLOOD”みたいなハイトーンが飛び出してきたりする。


だけど、個人的には“恋の4回戦ボーイ”の声がいちばん好き。
多分、この声が久保木さんの地声に近いんじゃないかな。と、勝手に予想してる。


そして、ライブ音源で聴く“恋は命がけ”の久保木さんの声は、どちらかというとアルバムで聴く“恋の4回戦ボーイ”の声に近かった。
ちょっとハスキーなミックスボイス。

歌は上手いとはいえないけど、その不安定な感じもまた味わいがあっていい。
もともと私は久保木さんの歌い方が結構好きで、“恋は命がけ”の「へっちゃらだけど」で声が揺れるところなんか、思わず頬がゆるんじゃうくらい好き。

なんか癒されるみたい、久保木さんの声に。

あと、“恋は命がけ”はあれだよね。
佐藤さんのパートが「ボンボンボン」じゃなくて「悶悶悶」なのがポイント。
とことんユーモラス。

シャネルズのそういうところ、好き。

ロンリー・チャップリン/もしかして、I love you

50年近くも生きていれば、誰しもデュエットの1回や2回する機会はあると思う。

デュエット曲にもいろいろあるけど、今の40代、50代に人気のデュエット曲といえば、やっぱり“ロンリー・チャップリン”じゃないかな。

私も1回だけ歌ったことあるよ。
世代じゃないけど、メジャーな曲だしね。
っていうか、鈴木聖美 with Rats&Star の『WOMAN』持ってたし。

改めて聴くと、やっぱりいい曲だなと思う。
今聴いても新しいし、ほかのデュエット曲にはない色っぽさがあるし。

なんといっても、サビの部分がいいね。
問題は、一緒に歌う男性がちゃんとハモってくれるかどうかというところ。
私がデュエットした相手はどうだったかな。正直、覚えてない。

ちなみに、“カナダからの手紙”をデュエットするときは、私ちゃんとハモってるからね。


ところで、デュエット曲の定番ともいわれる“ロンリー・チャップリン”だけど、ラッツファンからは「“もしかして、I love you”の方が好き」という声が結構聞こえてくる。

実は私も“もしかして、I love you”派。
もっと言えば、シャネルズとラッツ&スターの曲、全部ひっくるめても上位に入るくらいには好きな曲。
イントロのベースが流れてくるだけで、ドキドキしたり、きゅんきゅんしたり、悶々としたりと、瞬時に感情移入してしまえる。何度聴いても、何十年と聴いてても変わらない。

ありがたいことに、YouTube動画もあるんだよね。

いつもフロントにいる3人が、バックダンサーとコーラスに徹してる姿。これも、たまには悪くない。
心の揺れ動く様子を体現しているかのような、ひらひらとしたダンスもいい。とくに「maybe、maybe、maybe」のところ。久保木さんのダンスは、遠目に見てもやっぱり可愛い。

鈴木さんのおふざけも可愛いし、聖美さんがとにかく美しい。


でもね、実をいうと中高生時代は「ちょっと気持ち悪い」って思ってたんだ。
きょうだいでデュエット? しかも、バリバリのラブ・ソングだし。
私も兄がいたけど、ちょっと想像できなかった。決して仲の悪い兄妹ではなかったけど。

でも、大人になって、結婚して、子どもを生んだら、考え方も変わった。
今、娘が20歳。息子は3つ下の17歳。
同じきょうだいでも、姉弟って兄妹とは違うんだな。弟って、お姉ちゃんのこと妙に好きだよね。
うちの子たちを見てたら「姉弟のデュエットもありなのかも」って、素直に思えるようになった(ウチの娘は嫌がるだろうけど)。

ダウンタウン・ボーイ

私がラッツ&スターを好きになったのは母の影響だけど、母はシャネルズのレコードを全部揃えるほどの大ファンというわけでもなかったので、家にあったのはアルバム4枚と、シングルが数枚のみ。

シャネルズ1枚目のアルバムである『Mr.ブラック』は、その中には入っていなかった。
だから『Mr.ブラック』にしか入ってない曲は、私が自分でCDを買って初めて聴いた曲、ということになる。

いつ買ったのかは覚えてないけど、多分ラッツ&スター以降のCDを先に買って、あとからシャネルズ時代のアルバムがほかにもあることを知り、買い足したんじゃなかったかな。

だから、私にとって『Mr.ブラック』でしか聴けない曲は、わりと新鮮で記憶に新しい。

記憶には新しいけど、入ってる曲はすごく古くさいよね。カバー曲はもちろん、オリジナル曲も。オールディーズ臭がプンプンする。

もちろん、これ褒めてるからね。もう、すごく好きなんだ。

なかでも、“ダウンタウン・ボーイ”を初めて聴いたときの衝撃。
シャネルズを聴きはじめた小学生の頃から、もう何年も……おそらく10年は経っていたんじゃないかと思うけど、

「シャネルズは、こんなかっこいい歌も歌ってたのか」

って、本気で思ったから。
それくらい“ダウンタウン・ボーイ”は、私の心を強く揺り動かした。

私は本物の田舎者なので、そもそもダウンタウンといわれるような場所には馴染みがない。
私自身もごく普通の真面目な少女から、ごく普通の大人の女性になったクチなので、ラッツ&スターのメンバーが生きてきたような世界とは、多分あまり縁がない。

ただ、私の父は中卒の職人だ。
物心ついた頃から、作業服を着た下請けの職人さんやお弟子さんが何人も我が家を出入りしていた。
父の若い頃の写真を見ても、なんともいえないワルっぽさを漂わせている。
母はどちらかというとお嬢さん育ちだったようで、「あんな先の尖った靴はいて、一緒に歩くの恥ずかしかったんだから!」などと、よく言っていたけれど。

そして、私は一見普通のお嬢さんだが、どちらかというと父のDNAを色濃く受け継いでいるらしい。

“ダウンタウン・ボーイ”を聴いていると、その光景がリアルに脳裏に浮かんでくる。不思議と懐かしい気持ちになる。

ほかに似たような曲といえば、『Heart&Soul』に収録されている“夜明けのワークソング”があるな。

どれも肉体労働者の仕事終わりを歌った、泥臭くて、それでいてすごくキラキラした曲。

だけど、私は“ダウンタウン・ボーイ”の方が好きだな。
あのポップな曲調と、「両手の爪は黒く油まみれだけれど この手で幸せ掴んでみせる」っていう、切なくもポジティブな歌詞が好き。

曲はカラッと軽快なのに、なんとかして這い上がろうともがいている感じに心を打たれる。

あと、“ビッグ・シティ・キャット”。
母が持っていたシングルのレコード以外、私はシングル盤を持っていない。
だから、アルバムに収録されていないB面曲が結構あるということを、YouTubeで知った。
うん、かなり好き。この軽いノリ。


泥臭さのなかにある、強い生命力。
この感じが、きっとシャネルズの原点なんだろうな。