マドンナはお前だけ

ラッツ&スター以降の曲としては、めずらしくドゥーワップらしいドゥーワップ。
この曲に惹かれるって、私やっぱりドゥーワップが好きなんだな。
私の心のBEST12には入らなかったけど、BEST15だったら多分入ってたと思う。

っていうか、BEST12を“雨の日のローラ”にするか“マドンナはお前だけ”にするかで、結構悩んだんだよね。

前にも書いたことあるけど、この曲のマドンナは私のなかで“月下美人(ムーンライト・ハニー)”のハニーと重なる。

ヒロイン像は全然違うんだけどね。どっちも短調の曲だからかな。

そのせいか、“月下美人(ムーンライト・ハニー)”のハニーには高飛車なイメージがあるけど、本当はこのマドンナみたいな傷つきやすい女性なんじゃないかって。
勝手に妄想のふくらむこと、ふくらむこと。


もうひとつ、“マドンナはお前だけ”から連想されるのは“ハリケーン”。

タイトルこそ「お前だけ」なんて甘い匂いを漂わせているものの、この曲も実際は「雨」とか「嵐」とか「ゆれて沈んでズブ濡れて」みたいな、心の荒み具合を表した箇所が多い。
それよりなにより、冒頭から鳴り響くティンパニの音は雷鳴以外の何ものでもないだろう。


ちなみにこの曲は、ラッツ&スターが合同結婚式のあと、某歌番組で花嫁さんたちを会場へ連れてきて、タキシード姿で歌った曲。

実はこの映像もYouTubeに上がってたんだけど、数えるほどしか見ないうちに消されてしまった。
あの動画、好きだったのにな。残念。

振りもシャネルズ時代とは違って、ちょっとジャズダンスっぽい感じ?
ダンスのジャンルはよくわからないんだけど、明らかに難易度が上がってる。

でさ、悔しいことに、そのときの久保木さんがホントにうれしそうで。奥さんの顔をのぞき込むときの表情が、すごく優しくて。久保木さんの奥さんも、ひとりだけずっと泣いてて。
ホントに悔しいけど、「幸せそうだな~」って思って見てた。

もう見れないのか、あの動画。


でも、これだけは言いたい。
“マドンナはお前だけ”ってタイトルはいいけど、あれ失恋ソングだからね!
タイミング的に仕方なかったのかもしれないけど、もうちょっと幸せそうな曲を歌ってもらうわけにはいかなかったのか。

私が19歳か20歳の頃、初めて彼氏ができたんだけど、そのとき彼氏の友だちが、

「お前らのために歌ってやるよ」

って、カラオケでサザンの“YaYa (あの時代を忘れない)”を歌い出したんだよね。
心のなかで思わず「失恋ソングだよ、それ!」って突っ込んだのと、本人も歌いながら少し気まずい顔してたこと、思い出しちゃった。

《シャネルズ4部作》ハリケーン

“ランナウェイ”
“トゥナイト”
“街角トワイライト”
“ハリケーン”

《シャネルズ4部作》最後は“ハリケーン”。

“ハリケーン”は、歌詞が小説読んでるみたいで好きだったな。
小学生の頃は絵を描くのが好きで、漫画家になりたいと思ってた時期でもあったから、“ハリケーン”の歌詞で漫画描いたりしてた気がする。

なんていうか、ほんとシャネルズオタクだったんだよね。


YouTubeのコメントで「この曲は“ルージュの伝言”のアンサーソング」っていうのを見かけて、電車とかメモとか確かに重なる部分は多いし「ほうほうなるほどね」と思ってたんだけど、実際のところ“ハリケーン”のヒロインは、彼のママのところへは行かないだろうな。

“ルージュの伝言”のヒロインは浮気した彼が追いかけてくることを見越して姿を消してるけど、“ハリケーン”のヒロインは多分そう簡単には戻ってこない。完全にウォーリー(もう探さないでください)モードだと思うよ。
ノリのいい曲だけど、曲調は明るくないし、そういう切実さを感じる。

私はずっと、“街角トワイライト”は“ハリケーン”よりあとの曲だと思ってたんだけど、この歌詞のせいもあるのかな。
“ハリケーン”で消えたヒロインを探し続ける“街角トワイライト”。そういうイメージを勝手に抱いていたのかもしれない。


あと、“ハリケーン”もすごくカッコイイ曲なのに、“街角トワイライト”がいろんな意味で完璧すぎて、この順番だと“ハリケーン”に物足りなさを感じてしまうのも、ちょっと残念なところ。


そうはいっても、私は“ハリケーン”好きだけどね。
とくに動画で見るなら、“街角トワイライト”よりも“ハリケーン”の方が久保木さんの可愛さが際立ってていい。

朴訥とした感じのダンスも、コーラスで聞こえてくる声も、その歌い方や表情も。
好きだな。

ハリケーン


まぁ、でも“ハリケーン”といえば、やっぱりあれだよね。
佐藤さんのパート。

「Every day the どしゃ降り」

の、歌詞。
あのフレーズには、“愛をとりもどせ!!”の「Youはshock」にも負けない破壊力があるよね。

《シャネルズ4部作》街角トワイライト

“ランナウェイ”
“トゥナイト”
“街角トワイライト”
“ハリケーン”

《シャネルズ4部作》第3弾。

第3弾なんだけど、今までずっと“街角トワイライト”は“ハリケーン”よりもあとの曲だと思ってた。
なんでだろ。

“街角トワイライト”って、“ルビーの指環”と同時期にリリースにされてるんだね。知らなかった。

“街角トワイライト”には、「夕闇迫る街角で お前によく似たプロフィール」っていう歌詞があるでしょ。
小学生の頃、プロフィール帳とかいうのが流行ったこともあって、私、プロフィールってずっと「人物紹介」とか「自己紹介」的な意味でしか捉えてなかったの。

で、この「夕闇迫る街角で お前によく似たプロフィール」って歌詞の意味がわからなくてプロフィールの意味を辞書で調べたら、なるほど「横顔」という意味があるのかって、初めて知った。


“街角トワイライト”と“ルビーの指環”って、基本ストーリーが同じなんだよね。
要は、去っていった女の面影を探し続ける男の話。

“ルビーの指環”のなかの「ルビーのリング」が、“街角トワイライト”の「俺のイニシャルのペンダント」で、“街角トワイライト”のなかの「夕闇迫る街角で お前によく似たプロフィール」という歌詞が、“ルビーの指環”の「街でベージュのコートを見かけると」という歌詞と重なる。

でも、“ルビーの指環”の方が大人の歌だな。

“街角トワイライト”の方はまだ去っていった彼女を追いかけようとする若さがあるけど、“ルビーの指環”の方はそんな気力もないっていうか。
歌詞だけじゃなくて、寺尾聰さんの当時の年齢とか風貌とか歌い方とか、いろんなものが相まって大人の哀愁を感じさせるんだろうけど。

それに鈴木さんの声には、どんな別れの曲を歌っても希望を感じさせる強さがある。


でも、改めて聴くと“街角トワイライト”って、本当に完璧な曲だなと思う。

まず、タイトルがいい。
そして、アカペラのイントロダクション。
Doo-wopらしいコーラス。
サビの部分で転調するところもバックのサウンドもドラマチックで、若さゆえの情熱とか焦燥感を脳で感じとることができる。

あと、振りもいいね。
YouTubeに上がってるシャネルズとラッツ&スターの動画はひと通り見たし、どれもすごく好きなんだけど、やっぱり“街角トワイライト”がいちばんよくできてる気がする。
あの振りが、黒人ダンスの基本形とすら思えてくるよ。

個人的には、“週末ダイナマイト”の振りがいちばん好きだけどね。

ハリケーン

最近とくに気に入ってる動画があってね。

“ハリケーン”の「ハリケーン」「ハリケーン」「ハリケーン!」って、鈴木さんのリードをコーラスが追いかけるところあるでしょ。

あれ、最後の「ハリケーン!」は、久保木さんと桑野さんなんだよね。

でも、桑野さん声量あるし(さすがトランペット吹いてるだけのことあるね)声がスコーンと抜けるから、聞こえてくるのは、どうしても桑野さんの声になる。


でも、ひとつだけ。ひとつだけ、久保木さんの「ハリケーン」が、はっきりと聞こえる動画があるの。

歌番組の映像なんだけど、どうやらその日は桑野さんがお休みだったみたいで、久保木さんのひとり「ハリケーン」。

すっかり桑野さんの声メインの「ハリケーン」に慣れちゃってたけど、久保木さんの「ハリケーン」が、結構いいの。とにかくいいの。

もちろん、私が久保木さん好きだから、欲目というか、必要以上によく感じたっていうのはあるかもしれないけど。

それを抜きにしても、あの「ハリケーン!」は久保木さんの声のよさがよくわかる。一言でいうなら、大人の男の声。

桑野さんの声みたいな伸びやかさがない分、ちょっと切なげで、胸に迫る感じがたまらないのだ。


しかも、桑野さんがいないから、久保木さんいつもより声張らなきゃいけないでしょ。

「ハリケーン」でアップになったときの、ちょっと眉間を寄せた、でもちょっと笑ってるようにも見える表情が、またいいの。

もう、あの久保木さんを等身大で部屋に飾っておきたい。