“憧れのスレンダー・ガール”は、好きじゃない人はまずいないと思う。
イントロで、いきなりハッとさせられる曲。
私にとって「いい女」のイメージっていうと、このスレンダーガールそのもので(一種の刷り込み現象か)、少女の頃からずっと憧れ続けて今に至る。
そして、この曲と対になるのが“月下美人(ムーンライト・ハニー)”。
この曲も多分、嫌いな人はいないと思うんだけどなぁ。ちゃんと聴いてもらえれば。
対になるっていうのは、あくまでも私個人の感じ方なんだけど、アルバム『14 CARATS』を買って、初めて“月下美人(ムーンライト・ハニー)”を聴いたとき。
思ったんだよね、「大人のスレンダーガールだ」って。
突き抜けるようなトランペットの音で始まる“憧れのスレンダーガール”に対して、“月下美人(ムーンライトハニー)”のトランペットはミュートで音を抑えてるのも象徴的。
いちいち想像力(妄想力)をかきたてられる。
ちなみに、これも私の妄想で『SING!SING!SING!』の中の“マドンナはお前だけ”はムーンライトハニーの、“雨の日のローラ”はスレンダーガールの「その後」を歌った曲だと、勝手に思っている。
さらに、スレンダーガールとムーンライトハニーは同一人物であるという仮説を立ててみる。
“憧れのスレンダーガール”には「夕陽にスリムなシルエット」という歌詞があって、“月下美人(ムーンライトハニー)”には「5時の影がお前のことを…」という歌詞がある。
つまり、夕方5時を境とした、昼と夜の2つの顔を持つ女の歌なのでは?
と、想像するわけだ。
すると、また別のものが見えてくる。
夜の男を捨て(“マドンナはお前だけ”)、昼の男の元へ戻る(“雨の日のローラ”)。そんな女の姿である。
本当に、ラッツ&スターの曲にはドラマがあるよね。
あくまでも、私の創作だけど。