久保木博之さんへのラブレター #10

直滑降で恋に落ちて以来、私はまた毎日のようにラッツの曲を聴いている。
シャネルズ時代の曲も、ラッツ&スターになってからの曲も、ラッツの曲はすべて空で歌えるほど聴き込んでいる。

ただ、もう昔のような純粋な気持ちでラッツの曲を聴くことができなくなっていることに、ふとした瞬間、気付いてしまう。

どうしても、久保木さんの声を探してしまう。
高音パートにばかり、意識が向いてしまうのだ。

そのことに、長年ラッツ&スターのファンを自認していた私は、どうしても罪悪感を持たずにいられない。

果たして、ラッツ&スターの再々集結はあるのだろうか。

仮に再々集結があったとしても、一般人として20年も30年も生きてきた久保木さんが、また改めてラッツ&スターをやろうと思うだろうか。

ラッツ&スターが解散していないことは、私にとって希望だった。
同じように、久保木さんがラッツ&スターを脱退していないことに、私はどうしても希望を持ってしまう。

だけど、おそらくそのハードルはかなり高い。

もう一度、歌って踊るラッツ&スターを見たい。
もう一度、久保木さんに会いたい。
古い映像なんかではなく、今の久保木博之さんに。


今、私は毎日のように、シャネルズやラッツ&スターの動画を見て泣いている。
久保木さんが素敵すぎて。
とにかく、久保木さんが好きすぎて。
好きで好きでたまらない。
ひたすらラッツにあこがれていた頃とは、また違う感情に溺れている。
35年前、コンサートの終わりに感じた切なさとは、また違うやるせなさに胸を痛めている。

胸をかきむしりたくなるような、このやり切れない想いを。
私はいったい、どうすればよいのだろうか。

こんな年になって、また誰かに恋して泣くことになるなんて。
こんなにも、自分の感情をコントロールできないなんて。
ハタチやそこいらの女の子じゃあるまいし。

しかも、相手は芸能人である。

……いや、違うな。久保木さんはもう、一般人か。

だけど、だからこそ余計に切ないのかもしれない。
今の久保木さんは、私にとって芸能人よりも遠い存在だ。
ひと目姿を見ることもできなければ、今どこで何をしているのかを知る術もないのだから。


久保木さんは、今、どこでどうしているのでしょうか?