“ランナウェイ”
“トゥナイト”
“街角トワイライト”
“ハリケーン”
これを、私は勝手に《シャネルズ4部作》と呼んでいる。
実をいうと、ランナウェイがデビュー曲だということは知っていたけれど、この4曲がデビューからの4作品だということは、最近まで知らなかった。
ただ、いろいろなアルバムに入っているから、この4曲はシャネルズにとって主要なポジションにある曲なんだろうな、とは思っていたけれど。
“憧れのスレンダー・ガール”と“涙のスウィート・チェリー”も定番だけど、上の4曲とはちょっと毛色が違うもんね。
だから、《シャネルズ4部作》。
私はシャネルズのデビューをリアルタイムで見ていたわけではないので、「ランナウェイを聴いて衝撃を受けた」というような経験がない。
なにせ、気付いたら聴いていた曲だし。
しいて言うなら、“ランナウェイ”を聴いたときに「あ、スタンド・バイ・ミーだ」と思ったのを覚えている。
いや、逆だな。
“ランナウェイ”を先に聴いていたはずだから、ベン・E・キングの“Stand By Me”を聴いて、そのあと改めて“ランナウェイ”を聴いたときに、
「スタンド・バイ・ミーと同じだ」
って、思ったんだろうな。
物心ついた頃からずっと聴いていた曲なだけに、“ランナウェイ”に対して特別な感想を持ったといえば、それくらい。
飽きるほど聴いてる曲だし、実際CD流してても「今日はランナウェイはいいや」って飛ばしちゃうこともあるし。
ただ、“ランナウェイ”は曲がシンプルなせいか、楽器隊の演奏がすっと頭に入ってくるから好き。
間奏のトランペットもいいけど、この曲はとくにギターとピアノがいい。この音色とリズムを聴いていると、日によってすごく心が癒される。
鈴木さんの声と、メンバーのコーラスと、楽器隊の演奏と。私の中では、それだけ揃ってようやく本物の“ランナウェイ”なんだよね。
あ、あと「ランナウェイ」の意味がわからなかったから、辞書で調べたことがあったな。
おっとりとしたロマンティックな曲という印象だったので、小学生の私は「逃げる」という言葉の意味になんとなく違和感を持ったんだけど、大人になった今なら、ちょっとわかる気がする。
恋をすると、あるんだよね。二人だけで、どこか遠くへ逃げたくなる瞬間が。