渚のスーベニール/サマー・ホリデー

この二曲、どうしてもイメージがかぶってしまう。そんなことない? 私だけ?
『夏の夜の浜辺』っていうキーワードが一致するからかな。

とは言っても、“渚のスーベニール”には夏ってキーワードは別に出てこないんだけど。
でも、きっと夏だよね。勝手なイメージだけど、多分、夏の始まり。恋の始まり。
甘い歌詞も、高揚感のあるイントロも、心躍るような曲調も、すべてが始まったばかりの恋を連想させる。

それに対して、“サマー・ホリデー”は冒頭の田代さんのセリフからして、すでに失恋ソングだ。夏の間、気持ちを確かめ合い、夏の終わりとともに恋が終わる。そんな歌。

なんとなく、二曲合わせてひと夏の恋を連想させる。発売日も近かったみたいだしね。


この二曲でいうと、“渚のスーベニール”は“憧れのスレンダー・ガール”のカップリングだし、“サマー・ホリデー”はシングルA面。
なんとなく、“サマー・ホリデー”の方が地位が高い気がする。
“憧れのスレンダー・ガール”は、その世代の人にはそれなりに知られてるんじゃないかと思うけど、B面の“渚のスーベニール”になると知名度はガクンと下がる。多分、下がるんじゃないかな。当時を知らないから、あくまでも想像だけど。

でも、私は“渚のスーベニール”の方が好き。めちゃくちゃ好き。なんたって、ランキングでいえば“浮気なエンジェル”に次ぐBEST2だからね。

【シャネルズ/ラッツ&スター】の曲 BEST12

まず、インパクトのあるイントロで、最初からガッチリ掴まれる。あのちょっと粗削りな感じのファルセットは新保さんかな。勢いがあって力強いコーラスは全部、とりあえず新保さんだと思ってるんだけど。合ってる?
とにかく、あのイントロが始まった瞬間、心が揺さぶられてしまう。

そして、佐藤さんの「Oh baby」のあとの「Hey!」とか、田代さんのソロパート直前の「Kiss!Kiss!」とか、ちょっと陳腐なくらいにわかりやすい合いの手がいい。

あとは、鈴木さんの声がすごく優しい。間違いなく鈴木さんの声なんだけど、どこか違う。
いつもの鈴木さんの声というか歌い方って、網を投げて魚を囲い込む置網漁業みたいなイメージなんだよね。声を内側に巻き込んでいくみたいな。
だけど、“渚のスーベニール”を歌っているときは、どちらかというと放流スタイル。声が放射状に外へ広がっていく感じ。
“め組のひと”なんかもその傾向があるけど、あの歌い方がいちばん顕著なのは“雨の日のローラ”だな。

一方“サマー・ホリデー”はというと、ハイライトはなんといっても田代さんのセリフとソロパート。そして、桑野さんのトランペット。
少女のイメージが強かった“渚のスーベニール”から一転、大人の階段を上り始めたような雰囲気がある。

なんで、別れちゃったんだろ。ママに引き離されちゃったのかな。
と、“渚のスーベニール”の歌詞を思い返しながら、ちょっと思う。

「ママには内緒でひとりきり 渚まで駆けてこい」

なんか、いいよね。ひとりでこっそり家を出て、浜辺に向かって走ってゆく少女の姿が目に浮かぶ。

PEPPERMINT TWIST

リードボーカル、田代まさし。
シャネルズのアルバムに収録されているカバー曲のうち、私が2番目に好きな曲。

田代さんリードボーカルの曲はいっぱいあるけど、そのほとんどがスローなラブ・ソング。
シャネルズ時代なら、

“涙のテレフォン”
“パシフィック(夏は罪つくり)”
“恋愛専科”

とか、この辺り。
ラッツ&スター以降の曲だと、

“One Dream Night”

でしょ。

“夏の光と影”
“You Can Win”

なんて、オールファルセットだよ。

カバー曲も“PEPPERMINT TWIST”のほかに“SILHOUETTES”とかあるし。

個人的には、田代さんの曲というと“恋愛専科”が好きだったな。小学生の頃は。
今思うと、小学生が聴くような曲じゃないけど。

でも、“PEPPERMINT TWIST”はもっと好きだった。
オリジナル曲とあわせても、ランキング上位に食い込むくらいには好きだったんじゃないかな。

田代さんは、声も歌い方も顔も動きも…あ、動きは見たことなかったか。当時は。
まぁ、とにかく田代さんって、小学生当時の私が聴いてもビターチョコレートみたいな甘い声してて、歌い方も粘度が高めだから、しっとりとしたラブ・ソングを歌われると、ちょっと胸やけしちゃうんだよね。あくまでも個人的な意見。

ところが、あの粘着質なチョコレートボイスでポップなナンバーを歌われると一転、そのねちっこさが癖になる。
“BOOGIE WOOGIE TEENAGE”の田代さんのパートもいいし、“ダウンタウン・ボーイ”の「みんな一人で 産まれて来たのさ 生きるのも一人で 死ぬのも一人さ」の、ちょっと投げやりに聞こえる感じも好き。

改めて聴いてみると、小学生の頃はスロー・ナンバーだと思って聴いてた“恋愛専科”も、田代さんの曲の中では結構ポップな部類に入ることに気付いた。
病みつきになるはずだわ。
そして多分、“You Can Win”もこっち寄り。


本家 Joey Dee & Starliters が歌う“PEPPERMINT TWIST”はサラッとした高音だし、どっちかというと久保木さん向きな曲だと思うけど、それを田代さんが歌ってるっていうのが面白い。

“め組のひと”を弾きながら

母が他界した。

私にシャネルズを、ラッツ&スターを教えてくれた、母。

今年、娘のピアノの発表会で“め組のひと”を連弾する予定でいる私は、ときどきリビングでひとりピアノの練習をしていた。

母は、私や娘がピアノを弾いている姿を見るのが好きだった。音楽自体も好きだった。

娘がピアノの練習をしていると、その背後に立って、

「聴いたことある曲やな」
「その曲、〇〇か?」

と、声をかけることもあった母だが、私が“め組のひと”を練習していていても、母はちょっと離れたところに立ってこちらを眺めているだけで、声をかけてくることはなかった。

どちらかというとシャネルズ時代の曲ばかり聴いていた母だし、

(さすがに低音パートだけでは、何の曲かわからないんだな)

そう思っていたある日、夕食のテーブルで不意に母が言った。

「め組のひと、弾けるようになったか?」

「え……? うん、まあ」

思わずうろたえる。

そうか。
確認するまでもなく、母はわかっていたのだ。
ああ、今年は“め組のひと”を二人で弾くんだな、と。

しかし、母は、私と娘が“め組のひと”を合わせているのを一度も聴くことがないまま、逝ってしまった。

ある程度の覚悟はできていたので、さほど悲しくはない。
ただ、私と娘の“め組のひと”を聴かせてやれなかったことだけが、心残りだ。


そして、母が他界して以来、私はときどき密かな恐怖を感じる。
ラッツ&スターのメンバーも、あと10年もすれば亡くなった私の母と同じ年である。

10年は長いようで、短い。
年を取れば取るほど、短くなる。

実際、桑野さんは今も闘病しているし、他のメンバーにもいつ何が起こるかわからない。

このままメンバーの誰かひとりでも欠けてしまったら。
ラッツ&スターの再集結を見られないまま、久保木さんの姿を見ることもないまま、二度とメンバー全員で集まることができなくなってしまったら。

いや、そもそも私がラッツ&スターのメンバーより長生きするという保証もないんだけど。


そんなことを考えながら、私は今日も“め組のひと”を弾く。

2023年冬、やっぱり久保木さんが大好き

日々の用事と仕事に追われて、なかなかこのブログも更新できずにいますが、あの日から半年経つ今でも、私の心の中は久保木さん一色です。

って、「もう飽きたのか」と思われないように、ときどきは言っとかないとね。


飽きるどころか、動画はおろか、声を聞くだけで、写真を見るだけで、キュンキュンを通り越して胸がギュンギュンしてしまう。

そのまま抜け出せなくなって、仕事も何も手につかなくなるので、最近はやむを得ず久保木さん断ちしてます。

何度でも言うけど、めちゃくちゃ好き。

“ランナウェイ”の奇跡

諸事情により公私ともに多忙を極め、なかなか記事を更新できずにいましたが、この間(かん)、高校生の息子のプレイリストにいつの間にか“ランナウェイ”が追加されていたことを、ここで報告いたします。

新旧含め、何十曲というお気に入りの入った息子のプレイリストですが、その中でもランナウェイは『A+』に属するとのこと。
ちなみに、A~Cのそれぞれ+(プラス)と-(マイナス)を含む9段階。
その中で、ランナウェイは数少ない最高ランクの曲なのだという。

息子のスマホから“ランナウェイ”が流れているのを聴き、

「“ランナウェイ”好きなん?」

ときいてみたところ、

「好きやで。“ランナウェイ”聴くと結構テンション上がる」

と、息子。令和の高校生のテンションをもぶち上げてしまうとは、“ランナウェイ”もシャネルズもすごすぎる。

現在、息子のプレイリストには、

“ランナウェイ”
“浮気なエンジェル”
“憧れのスレンダーガール”
“め組のひと”
“月下美人(ムーンライト・ハニー)”

と、ラッツ&スター(シャネルズ)の曲が5曲入っている。
とくに好きなミュージシャンがいるわけでもなさそうなので、ひとりのミュージシャンで5曲って、息子にしてはかなり多い方。
彼のプレイリストを聴いている限りでは、新旧合わせてもTUBEとトップを争う最多曲数なんじゃないか。

「でも、シャネルズは数だけじゃなくてA+の曲もあるもんね!」

と言いたいところだが、TUBEの“シーズン・イン・ザ・サン”もA+なのが悩ましい(しかも、TUBEを教えたのも私だったりする)。


それはさておき、シャネルズとラッツ&スターの曲のなかでも“ランナウェイ”は息子の琴線に強く触れたようなので、私も改めて“ランナウェイ”を聴いてみた。

そしたら、やっぱりいい曲なんだよね。
今まで何十年間、当たり前のように聴いてたから気付かなかったけど。
いまさらながら鳥肌立ってきちゃった。

これは、きっと衝撃的だったよね。デビューしたとき。

そのときの様子は私には知りようもないけど、私はこの曲を多分、死ぬまで聴く。


ちなみに、息子は懐メロであろうとなんであろうと、好きな曲は人前であっても堂々と聴く。
プレイリストの曲を流しっぱなしで、自転車に乗って学校から帰ってくる。
だから、タイミングによっては“ランナウェイ”とか“浮気なエンジェル”と一緒に家に帰ってきたりもする。

そんなときは、もうホントになんとも言えない気分になる。

まさか、親子三代にわたってラッツ&スターやシャネルズを聴くことになるなんて、思ってもみなかったよ。
我が子にちゃんと彼らの素晴らしさを伝えられたこと、母として誇らしく思うよ。

そして、ある日のこと。
その日も部活を終えた息子が自転車に乗って学校から帰っている途中、信号待ちで“ランナウェイ”を流しながら、自分も一緒になって気分よく“ランナウェイ”を歌っていたところ、隣で信号待ちしていた徒歩のおじさんも突然“ランナウェイ”を一緒に歌い出したらしい。
目を合わせるでも、言葉を交わすでもなく、信号が青になると同時にお互い知らん顔で立ち去ったらしいけど。

“ランナウェイ”の威力、すごすぎない?

プレイリストに“浮気なエンジェル”

車での移動の最中、私はだいたい自分のスマホに入っているプレイリストをループ再生している。

ラッツ&スターの曲だけが入ったプレイリストAと、好きな曲を片っ端から保存したプレイリストBがあって、その日の気分でどちらかを再生する。


これは、つい数日前のこと。
高校生の息子を送迎中、後部座席に座っていた彼が私のプレイリストから流れてくる曲を聴きながら、ふと言った。

「その曲いいな。なんていう曲?」

思わず、

「え? これ? 今かかってる、この曲?」

と、聞き返す。

「うん」

「……浮気なエンジェル」

音楽アプリで検索する息子。

「誰の曲?」

「シャネルズ……ラッツ&スター。め組のひと歌ってたグループ」

「あ、あった」

シャネルズの“浮気なエンジェル”を、自分のプレイリストに追加する息子。

私に似たのか、息子は古い歌が結構好きで、1970年代から現代に至るまでの人気曲を幅広く網羅している。

ときどき「なんかいい曲ない?」と、母である私に情報提供を求めてくることもある。
私のすすめた曲が彼のプレイリストに入るのは、せいぜい3分の1くらいだろうか。私が「これは絶対好きだろう」と思った曲でも、「ちょっと違う」と言われたりするのだから、音楽の趣味というのはわからない。

シャネルズの曲は息子の好みじゃないと思っていたので、あえてこれまですすめなかった。
というか、基本的にその世代の人なら誰でも知ってるようなメジャーな曲しかすすめたことがない。

それがまさか、こちらからすすめてもいない“浮気なエンジェル”が息子のプレイリストに入ることになろうとは。
あげくに「昔の歌は歌詞がいいな」などと、自分の妹と同じことを言う。

私はこういう(いい意味で)軽薄な曲が大好きだけど、息子はどちらかというと渋好みだ。
今までも散々プレイリストで流しているし、その日初めて“浮気なエンジェル”を聴いたわけでもないだろう。
そもそも、“浮気なエンジェル”はプレイリストAとBの両方に入ってるのだから、これまで一度も息子の耳に入っていないわけがない。

なのに、なぜに今、突然?

タイミングなのか。
嗜好の変化か。
恋をしているから?

とりあえず、この“浮気なエンジェル”という私の一押し曲が、この日に突如として、なんらかの理由で息子の琴線に触れたのは間違いないようだ。

ものは試しと、

「浮気なエンジェルが気に入ったなら、これはどう?」

と、シャネルズの歌をもう一曲、流してみる。
ちょうど目的地に着いてしまったので、息子は車を下りる準備をしながら、

「なんていう曲?」

「憧れのスレンダーガール」

「ふうん」

そっけなく返事をしてバタバタ出て行ったけれど、こうして今、高校生の息子のプレイリストには、

“め組のひと”
“浮気なエンジェル”
“憧れのスレンダーガール”

と、ラッツ&スターの曲がなんと3曲も入っている。

“め組のひと”は、わかる。
“憧れのスレンダーガール”も、ぎりぎりわかる。
だけど“浮気なエンジェル”だけは、正直いまだに「?」という感じ。

いや、私はめっちゃ好きだけどね。息子が“浮気なエンジェル”を気に入ったっていうのは、いくらなんでも想定外すぎる。
今度は“渚のスーベニール”でも聴かせてみるか。いや、まずは4部作からいくべきかな。


それにしても、まさかラッツ&スターを親子三代にわたって聴くことになるとは思わなかったなぁ。

感慨深い。

浮気なエンジェル

ラッツ&スター(シャネルズ)の曲といえば、やっぱり“ランナウェイ”か“め組のひと”、もしくは“夢で逢えたら”を挙げる人が多いと思うんだけど、私にとってシャネルズの曲といえば“浮気なエンジェル”。
一瞬たりとも迷わず“浮気なエンジェル”だ。

単純に「ノリがよくて楽しい曲だから」というのもあるんだけど、それだけじゃない。

私にとってラッツ&スターとはUMAのような存在で、ラッツ&スターというグループの情報源は当時レコードの中にしかなかった(ということは『久保木博之さんへのラブレター』のなかでも書いていたと思う)。

田代さんや桑野さんがコントをやっているのはリアルタイムで見てたけど、そもそもラッツ&スター自体がギャグやコントを好んでやっていたのだということは、まったく知らなかった。
多分、今回、久保木さんにどハマりして、いろいろ調べているときに知ったんだと思う。

多分というのは、今さらそれを知っても全然驚かなかったし、意外だとも思わなかったから。
「もしかして、本当は前から知ってたんじゃね?」
と、自分でもちょっと思ってるくらい。

意外に思わなかったのは、きっと私がラッツ&スター(シャネルズ)のヒット曲だけでなく、まんべんなくいろんな曲を聴いていたからだと思う。

そんななかでも、“浮気なエンジェル”はラッツ&スターの個性がぎゅっと詰まった曲だ。
フロントメンバー1人ひとりのキャラクターとか、コミカルなことをやってるグループなんだなとか、そういうことが手に取るようにわかる。
そういう意味で、私にとって“浮気なエンジェル”はラッツ&スターそのものなのだ。


あとは、まぁ、単純に女の子は憧れるよね。

「どうして可愛いの?そんなに」
「夢中だよ、誰もがイカれてるよ」

こんなこと、誰だって言われたいに決まってる。
“浮気なエンジェル”は、女の子たちにそんな夢を見せてくれる曲。
まぁ、私はもう女の子って年ではないけれど、ラッツ&スターを聴いてるときだけは、ついつい10代の女の子に戻っちゃうからね。

でもね、このエンジェル。
タイトルは“浮気なエンジェル”だし、歌の中でも「誰にも気のありそうな」とか言われてるけど、本当はそんな移り気な女の子じゃないんだと思う。

エンジェルの胸のロケットには、心に決めた人の写真が入っている。
とても笑顔の素敵な女の子で、男の子たちはみんなメロメロになるんだけど、彼女にはすでに心に決めた人がいるから、誰に声をかけられても振り向かない。

可愛い女の子が、にっこり笑いかけてくれる。
(=自分に気があるに違いない)
それなのに、なぜか振り向いてくれない。
(=浮気な子)

“浮気なエンジェル”は、そんな男の人の勘違いが目いっぱい詰まった、愛すべき曲だ。


あと、これも知らなかった(忘れてた?)んだけど、“浮気なエンジェル”って“週末ダイナマイト”のB面曲だったんだね。
“週末ダイナマイト”のシングル盤、母が持ってたな。
全員が違う衣装を着て、こちらに駆け寄っててくる、あのカラフルなジャケット写真。
あれ見てたら、同級生や幼なじみが集まってできたバンドだって知らなくても「仲のいいグループなんだろうな」って、なんとなくわかるもんね。


(追伸)今、私の心のロケットにいるのは、やっぱり久保木さんです。
久保木さん、元気かな。


夢で逢えたら

YouTubeで見つけた、あの年の紅白歌合戦。
再集結したラッツ&スターが歌う“夢で逢えたら”。

ああ、そうだった。
みんな、真っ白のスーツ着てたなぁ。
そうそう、田代さんのこのセリフ。
出雲さんが、レコードのジャケット写真で見てた出雲さんよりも、ちょっと恰幅よくなってて。

おぼろげながら、当時テレビで見ていたときの記憶がよみがえってくる。


大瀧詠一さんの作詞・作曲による曲。
100を超えるカバー曲が存在するという“夢で逢えたら”を初めてヒットさせたのが、男性ヴォーカリストの鈴木雅之さん率いるラッツ&スターだったというのは、有名な話。

素敵。なんか夢があっていいよね。


夢でもし逢えたら 素敵なことね
あなたに逢えるまで 眠り続けたい


改めて歌詞を見直すと、“トゥナイト”がひたすら「tonight!」を繰り返しているように、“夢で逢えたら”もほぼ上記の歌詞で埋め尽くされている。

それにしても、この“夢で逢えたら”という曲は、今の私の心情をそのまま映し出しているようだ。

ラッツ&スターに、久保木さんに、逢いたくて逢いたくて。
夢でもいいから、逢いたいと思う。
でも、目が覚めた瞬間、どれだけ切なく悲しい気持ちになるかも知っている。

ラッツ&スターの“夢で逢えたら”がヒットしたのは、「男性ヴォーカリストが歌う」という意外性や「ラッツ&スターが再集結で歌った曲」というドラマ性もあったのだとは思うけど、多分それだけじゃない。
女性ヴォーカリストの歌う“夢で逢えたら”は、ほのぼのとした恋の歌。
だけど、鈴木雅之さんが歌う“夢で逢えたら”には「素敵なことね」の裏に込められた切なさが、強く感じられる。

そこだと思うな。


あの記念すべき、第47回紅白歌合戦。
間奏中の田代さんのセリフ。

「デビュー16年。紅白初出場、ラッツ&スターです」

こうして文字にするとサラッとして見えるけど、この一行には多分メンバーそれぞれの、いろんな想いが詰まっているんだろうなと思うと、もうそれだけで何度でも泣けてくる。

「この曲をラッツのファンの方たちと大瀧詠一さんに捧げます」

現役時代を知らない私でも、そのファンのひとりに入れてもらっていいのかな。


夢でもし逢えたら 素敵なことね
あなたに逢えるまで 眠り続けたい


どんなに逢いたいと思っても、朝になれば起きなきゃならない。

だから、今夜はもう寝よう。
おやすみなさい。

ちょっとでいいから、逢えたらいいな。

ラッツ&スター久保木さんのダンス考察

【久保木博之さんへのラブレター】の中でも書いたけど、私は久保木さんのダンスがめちゃくちゃ好きだ。

それも、あとから思い出したところによると、どうやら20歳のときから久保木さんのダンスが好きだったらしい。

世間的には「ラッツ&スターでダンスが上手いのは田代さん」という認識らしいので、私のように「踊っている久保木さんに目が吸い寄せられる」という人は少数派なのかもしれない。

そこで、私が久保木さんのダンスのどこをそんなに好きなのか、整理してみることにした。

久保木さんのダンス考察

姿勢がいい

久保木さんは、とにかく姿勢がいい。

ほかの人たちはちょっと巻き肩気味だったりストレートネックっぽかったりするんだけど、久保木さんは完全に武道やってる人の立ち姿。
背筋が伸びて肩がストンと下がっているので、首が長く見える。身長のわりにスタイルよく見えるのは、あの姿勢の賜物だろう。

で、踊ってるときも絶対にその姿勢が崩れない。
普通だったら前のめりになるようなシーンでも、絶対に崩れない。

たとえば、“め組のひと”の「ビーチは突然パニック」の「パニック」のところ。両手を振り前に出しながらマイクに近づいてくるでしょ。
普通は多少なりとも前のめりになるもんだと思うけど、久保木さんはこんなときでも、いつもの姿勢を崩さない。
背筋を真っ直ぐに伸ばしたまま、腕を力強く前に振り出す。
その感じがね、かっこいいの(語彙力)。

体幹が強い

これも、武道とかスポーツをやっていた人にはありがち。
体が自然とバランスをとっている。

片足を前に振り出すと、体が後方へ倒れる。
右腕を振り出せば、体が左へ傾く。
腕や足だけでなく、全身を使って踊っているのだ。

上でも例に挙げた、“め組のひと”の「パニック」のところ。
腕を振り出すときも、ただ腕を出すのではなく体の中心を軸に肩から振り出す。

だから、久保木さんのダンスは動作の1つひとつにメリハリがあるし、振りも大きい。

重心がきちんと取れているのでフォームが崩れることもなく、立ち姿や決めポーズはいつも完璧。

それがまた、かっこいい(語彙力)。


そんな久保木さんのダンスは、田代さんの緩くて細やかなダンスとは対照的だ。
田代さんのダンスは、その緩さが玄人っぽくていいんだろうと思う。

でも、このご時世においても男の人の「強さ」とか「男らしさ」に魅力を感じる私としては、やっぱり久保木さんのダイナミックなダンスに目がいってしまうのだ。

……あ、佐藤さん?
佐藤さんは、多分ダンスは苦手分野なんじゃないかな。
よかった。
あの顔で、あの声で、踊りまで完璧だったら、みんな立つ瀬ないもんね。

アラフィフにして、恋しい人のフィギュアにときめく

私、収集癖ってそんなにある方じゃないと思うんだけど、知りたい欲が高まると、本を買いに走るところがある。

まず、古本屋で『ラッツ&スター/シャネルズ』を買った。

そして、写真集『ザ・シャネルズ』。

私は一応、モノを書く仕事をしているので、ウェブ上の情報がいかにいい加減なものが多いかはよく知っている。
その点、こういう本に書かれている情報には間違いがないからね。

あと『新宿ルイード物語―ぼくの青春と音楽』も、電子書籍で買って読んだ。


これらは収集癖というより、単純にラッツ&スターのこと、久保木さんのことを知りたいという欲求からだったんだけど、今度のコレはどう言ったらよいのか……。

フリマサイトで見つけて、衝動的に買ってしまった。

ラッツ&スターのソフビ人形。再集結したときにCM出演した、LION歯磨き粉クリスタのPOP人形。

ラッツ&スター
ラッツ&スター

情報収集のためにラッツ&スターのこと検索してたら、たまたまその数日前に出品されたばかりのフィギュアを見つけてしまい、運命感じちゃったんだよね。

メンバーそれぞれの特徴もとらえてるし、精度の高さにびっくり。
とくに感心したのは、久保木さんのフォルム。

久保木さん、背はメンバーのなかでいちばん低いけど、肩幅はわりと広い。
その、やや逆三角形の体型まできちんと再現されているではないか。「おっ?」と思って、思わずみんなの肩幅の寸法測り比べちゃったよ。

久保木博之(ラッツ&スター)
久保木博之(ラッツ&スター)

正直に打ち明けるけど、手に取って久保木さんの顔を見た瞬間ときめいてしまった(フィギュアなのに)。

それにしても、ほんとに写真だけ見て衝動買いしちゃったもんだから、開封してみて想像以上の大きさにギョッとした。
せいぜい、全長10センチくらいだと思ってたんだけど。

久保木博之(ラッツ&スター)
久保木博之(ラッツ&スター)

余裕で10センチ超え。

なんだか今夜は、久保木さんの夢を見られそうな気がする。