スレンダー・ガールに私はなりたい

シャネルズやラッツ&スターの曲は、私にさまざまな影響を与えた。
とくに恋愛面で。

ラッツの曲は“め組のひと”や“憧れのスレンダー・ガール”をはじめ、女性を女神のように崇め称える歌詞のものが多い。

“彼氏になりたい”なんて、このストレートなタイトルだけでもキュンときちゃうし、「首ったけ」なんてセリフは今どき絶対使わないけど、やっぱりグッとくる。

個人的には“浮気なエンジェル”がいちばん好き。
子どものとき以外「可愛い」なんていわれたこと、私は一度もないし(多分)、久保木さんに「どうして可愛いの?そんなに」って言ってもらえるとか、うらやましくて吐きそうだよ。

そんな久保木さんの“恋の4回戦ボーイ”と“恋は命がけ”もいいよね。
久保木さんのことを好きになる前から、久保木さんのソロ曲は好きだったな。
久保木さんには、身を投げ打つような恋の歌がよく似合う。
きっと、そういう恋をしてきた人なんだろうな。うらやましすぎて、もう吐き気どころじゃないわ。


いろいろ思うことはあるけれど、小学生の頃からそんな「憧れの女性に求愛し続ける」曲ばかりを聴いていたおかげで、私の恋愛観はかなり偏っている。

好きなタイプをきかれて、

「好きになってくれた人がタイプ」

って答える人、いるでしょ?

あれと似て非なるもので、私は「私にめちゃくちゃ惚れてくれる人」に対し、グラッときてしまう。
“恋の4回戦ボーイ”みたいに直球で来られたら、もうダメ。


思えば、私は“憧れのスレンダー・ガール”のような女性を理想像として、この年まで生きてきた気がする。

スレンダー・ガールというにはさすがに年くいすぎちゃったけど、それでも自分で思い描くスレンダー・ガールに、少しくらいは近づけただろうか。


でも、ラッツ&スターのマドンナは、やっぱり薔薇の花みたいな棘のある女性なんだろうな。

私では、ちょっと役不足だな。一生かかっても“め組のひと”にはなれそうにない。

《シャネルズ4部作》ハリケーン

“ランナウェイ”
“トゥナイト”
“街角トワイライト”
“ハリケーン”

《シャネルズ4部作》最後は“ハリケーン”。

“ハリケーン”は、歌詞が小説読んでるみたいで好きだったな。
小学生の頃は絵を描くのが好きで、漫画家になりたいと思ってた時期でもあったから、“ハリケーン”の歌詞で漫画描いたりしてた気がする。

なんていうか、ほんとシャネルズオタクだったんだよね。


YouTubeのコメントで「この曲は“ルージュの伝言”のアンサーソング」っていうのを見かけて、電車とかメモとか確かに重なる部分は多いし「ほうほうなるほどね」と思ってたんだけど、実際のところ“ハリケーン”のヒロインは、彼のママのところへは行かないだろうな。

“ルージュの伝言”のヒロインは浮気した彼が追いかけてくることを見越して姿を消してるけど、“ハリケーン”のヒロインは多分そう簡単には戻ってこない。完全にウォーリー(もう探さないでください)モードだと思うよ。
ノリのいい曲だけど、曲調は明るくないし、そういう切実さを感じる。

私はずっと、“街角トワイライト”は“ハリケーン”よりあとの曲だと思ってたんだけど、この歌詞のせいもあるのかな。
“ハリケーン”で消えたヒロインを探し続ける“街角トワイライト”。そういうイメージを勝手に抱いていたのかもしれない。


あと、“ハリケーン”もすごくカッコイイ曲なのに、“街角トワイライト”がいろんな意味で完璧すぎて、この順番だと“ハリケーン”に物足りなさを感じてしまうのも、ちょっと残念なところ。


そうはいっても、私は“ハリケーン”好きだけどね。
とくに動画で見るなら、“街角トワイライト”よりも“ハリケーン”の方が久保木さんの可愛さが際立ってていい。

朴訥とした感じのダンスも、コーラスで聞こえてくる声も、その歌い方や表情も。
好きだな。

ハリケーン


まぁ、でも“ハリケーン”といえば、やっぱりあれだよね。
佐藤さんのパート。

「Every day the どしゃ降り」

の、歌詞。
あのフレーズには、“愛をとりもどせ!!”の「Youはshock」にも負けない破壊力があるよね。

《シャネルズ4部作》街角トワイライト

“ランナウェイ”
“トゥナイト”
“街角トワイライト”
“ハリケーン”

《シャネルズ4部作》第3弾。

第3弾なんだけど、今までずっと“街角トワイライト”は“ハリケーン”よりもあとの曲だと思ってた。
なんでだろ。

“街角トワイライト”って、“ルビーの指環”と同時期にリリースにされてるんだね。知らなかった。

“街角トワイライト”には、「夕闇迫る街角で お前によく似たプロフィール」っていう歌詞があるでしょ。
小学生の頃、プロフィール帳とかいうのが流行ったこともあって、私、プロフィールってずっと「人物紹介」とか「自己紹介」的な意味でしか捉えてなかったの。

で、この「夕闇迫る街角で お前によく似たプロフィール」って歌詞の意味がわからなくてプロフィールの意味を辞書で調べたら、なるほど「横顔」という意味があるのかって、初めて知った。


“街角トワイライト”と“ルビーの指環”って、基本ストーリーが同じなんだよね。
要は、去っていった女の面影を探し続ける男の話。

“ルビーの指環”のなかの「ルビーのリング」が、“街角トワイライト”の「俺のイニシャルのペンダント」で、“街角トワイライト”のなかの「夕闇迫る街角で お前によく似たプロフィール」という歌詞が、“ルビーの指環”の「街でベージュのコートを見かけると」という歌詞と重なる。

でも、“ルビーの指環”の方が大人の歌だな。

“街角トワイライト”の方はまだ去っていった彼女を追いかけようとする若さがあるけど、“ルビーの指環”の方はそんな気力もないっていうか。
歌詞だけじゃなくて、寺尾聰さんの当時の年齢とか風貌とか歌い方とか、いろんなものが相まって大人の哀愁を感じさせるんだろうけど。

それに鈴木さんの声には、どんな別れの曲を歌っても希望を感じさせる強さがある。


でも、改めて聴くと“街角トワイライト”って、本当に完璧な曲だなと思う。

まず、タイトルがいい。
そして、アカペラのイントロダクション。
Doo-wopらしいコーラス。
サビの部分で転調するところもバックのサウンドもドラマチックで、若さゆえの情熱とか焦燥感を脳で感じとることができる。

あと、振りもいいね。
YouTubeに上がってるシャネルズとラッツ&スターの動画はひと通り見たし、どれもすごく好きなんだけど、やっぱり“街角トワイライト”がいちばんよくできてる気がする。
あの振りが、黒人ダンスの基本形とすら思えてくるよ。

個人的には、“週末ダイナマイト”の振りがいちばん好きだけどね。

《シャネルズ4部作》トゥナイト

“ランナウェイ”
“トゥナイト”
“街角トワイライト”
“ハリケーン”

《シャネルズ4部作》第2弾。
歌詞の半分くらいが「tonight!」で埋めつくされているような気がする曲。

私、YouTubeでシャネルズのステージを見るようになって、そのカッコよさの虜になってるところなんだけど、この“トゥナイト”に関しては、映像なしでもいいかなと思う。

歌詞はすごくシンプルなのに(ほぼ「tonight!」だし)目を閉じてこの曲を聴いてると、なぜかいろんな光景が浮かんでくる。


過去の記憶とか、根も葉もない妄想とか、いろんなものが頭の中を駆け巡るんだけど、これがなかなか幸せな時間なの。
しかも、歌詞のない間奏部分が、いちばん想像力を掻き立てられるという不思議な曲。

多分、これがコーラスの力なんだろうな。
「ヤーヤヤヤー」とか「リンガリンガリンガ」とか、文字にするとなんかうるさい感じだけど、実際に耳で聴いてみると、あっという間に別世界に引き込まれちゃうから。
桑野さんのトランペットもいいし。


ちなみにこの曲、4部作の中では唯一の明るめの曲でもある。

だけど、ストーリーは“ランナウェイ”とほぼ同じ。二人で俗世を逃げ出して、ただ愛し求め合う歌だ。


ご存じだろうか。
スター誕生に桜田淳子ちゃんが出たとき、「すごい子がいる!」と騒ぎになったという話。そして、その次の回で山口百恵ちゃんが出てきたときには、「暗い淳子がいる!」と、また騒ぎになったのだとか。


いうなればこんな感じ。私が“トゥナイト”に対して抱いているイメージとは、ちょっと明るい“ランナウェイ”なのだ。


また、アルバムで聴いている分には「名曲」とまで感じないのに、コンサートやライブになると、とたんに化ける曲というのがある。

私にとってはサザンオールスターズの“YOU”という曲がそれなんだけど(ライブ行ったことないけど)、シャネルズの“トゥナイト”も、多分その部類に入るんじゃないかな。
『BACK TO THE BASIK』に収録されていた、代々木第一体育館でのライブVer。あれは、よかったよね。トランペットのアレンジもすごく素敵だし。

ただ、これだけは言いたい。

“トゥナイト”の曲の終わり方。あれだけは、なんか違うと思うんだ。
この曲には、なんかもっと違う終わり方があるんじゃないかと、聴くたびに思ってしまう。

“街角トワイライト”よりも、もう少し“ランナウェイ”寄りの終わり方にならないかなぁ。

《シャネルズ4部作》ランナウェイ

“ランナウェイ”
“トゥナイト”
“街角トワイライト”
“ハリケーン”

これを、私は勝手に《シャネルズ4部作》と呼んでいる。

実をいうと、ランナウェイがデビュー曲だということは知っていたけれど、この4曲がデビューからの4作品だということは、最近まで知らなかった。

ただ、いろいろなアルバムに入っているから、この4曲はシャネルズにとって主要なポジションにある曲なんだろうな、とは思っていたけれど。

“憧れのスレンダー・ガール”と“涙のスウィート・チェリー”も定番だけど、上の4曲とはちょっと毛色が違うもんね。

だから、《シャネルズ4部作》。


私はシャネルズのデビューをリアルタイムで見ていたわけではないので、「ランナウェイを聴いて衝撃を受けた」というような経験がない。

なにせ、気付いたら聴いていた曲だし。

しいて言うなら、“ランナウェイ”を聴いたときに「あ、スタンド・バイ・ミーだ」と思ったのを覚えている。

いや、逆だな。
“ランナウェイ”を先に聴いていたはずだから、ベン・E・キングの“Stand By Me”を聴いて、そのあと改めて“ランナウェイ”を聴いたときに、

「スタンド・バイ・ミーと同じだ」

って、思ったんだろうな。

物心ついた頃からずっと聴いていた曲なだけに、“ランナウェイ”に対して特別な感想を持ったといえば、それくらい。

飽きるほど聴いてる曲だし、実際CD流してても「今日はランナウェイはいいや」って飛ばしちゃうこともあるし。


ただ、“ランナウェイ”は曲がシンプルなせいか、楽器隊の演奏がすっと頭に入ってくるから好き。

間奏のトランペットもいいけど、この曲はとくにギターとピアノがいい。この音色とリズムを聴いていると、日によってすごく心が癒される。

鈴木さんの声と、メンバーのコーラスと、楽器隊の演奏と。私の中では、それだけ揃ってようやく本物の“ランナウェイ”なんだよね。


あ、あと「ランナウェイ」の意味がわからなかったから、辞書で調べたことがあったな。

おっとりとしたロマンティックな曲という印象だったので、小学生の私は「逃げる」という言葉の意味になんとなく違和感を持ったんだけど、大人になった今なら、ちょっとわかる気がする。

恋をすると、あるんだよね。二人だけで、どこか遠くへ逃げたくなる瞬間が。

憧れのスレンダー・ガール/月下美人(ムーンライト・ハニー)

“憧れのスレンダー・ガール”は、好きじゃない人はまずいないと思う。

イントロで、いきなりハッとさせられる曲。

私にとって「いい女」のイメージっていうと、このスレンダーガールそのもので(一種の刷り込み現象か)、少女の頃からずっと憧れ続けて今に至る。


そして、この曲と対になるのが“月下美人(ムーンライト・ハニー)”。

この曲も多分、嫌いな人はいないと思うんだけどなぁ。ちゃんと聴いてもらえれば。

対になるっていうのは、あくまでも私個人の感じ方なんだけど、アルバム『14 CARATS』を買って、初めて“月下美人(ムーンライト・ハニー)”を聴いたとき。

思ったんだよね、「大人のスレンダーガールだ」って。


突き抜けるようなトランペットの音で始まる“憧れのスレンダーガール”に対して、“月下美人(ムーンライトハニー)”のトランペットはミュートで音を抑えてるのも象徴的。

いちいち想像力(妄想力)をかきたてられる。


ちなみに、これも私の妄想で『SING!SING!SING!』の中の“マドンナはお前だけ”はムーンライトハニーの、“雨の日のローラ”はスレンダーガールの「その後」を歌った曲だと、勝手に思っている。

さらに、スレンダーガールとムーンライトハニーは同一人物であるという仮説を立ててみる。

“憧れのスレンダーガール”には「夕陽にスリムなシルエット」という歌詞があって、“月下美人(ムーンライトハニー)”には「5時の影がお前のことを…」という歌詞がある。

つまり、夕方5時を境とした、昼と夜の2つの顔を持つ女の歌なのでは?

と、想像するわけだ。


すると、また別のものが見えてくる。

夜の男を捨て(“マドンナはお前だけ”)、昼の男の元へ戻る(“雨の日のローラ”)。そんな女の姿である。


本当に、ラッツ&スターの曲にはドラマがあるよね。

あくまでも、私の創作だけど。

粗削りなコーラスが魅力

昔の映像とか見てると、ラッツ&スターのステージは本当にカッコよかったんだなと、しみじみ思う。

そりゃ、人気あるはずだよね。

そう考えると、一度たりともステージを見たことがなく、メンバーがどんな個性を持っているのかも、どんなパフォーマンスをしているのかも知らずに、ただ曲だけ聴いてあそこまでラッツ&スターに夢中になれた私って、ある意味すごくない?


実際、シャネルズ時代の曲もラッツ&スター以降の曲も「なぜ売れなかったんだろう」っていうくらい、よい曲がたくさんある。

もしかすると、ステージのカッコよさが仇になったのでは?

今さらながらにラッツ&スターのステージを見ながら、ふと思う。

もっと、ちゃんと曲を聴いてくれるファンがたくさんいたら、もう少し長く活動できたんじゃないかって。

でも、あのステージがあったからこそ、一時代を築くことができたのも確かなんだよね。
やっぱり、カッコいいもん。


小学生の頃からラッツの曲を聴き続けて、とことん惚れて。
35年の月日を経て、改めてラッツのステージに惚れ込んで。
そして、なぜか今になって、久保木さんに骨抜きにされて。

なんか、もうYouTubeには感謝しかない。
リスクを顧みず動画をあげ続けている人たちにも、感謝しかない。

ライブとか歌番組の映像は、今まで知らなかったラッツのパフォーマンスを見ることができるっていう意味ですごく貴重なんだけど、あの生音源もいいんだよね。
生音源だと、久保木さんの声が結構しっかり聞こえるから。


歌番組なんかで聴くラッツのコーラスは、決して完璧じゃない。
でも、当時はそのちょっと粗削りなところが、彼らの魅力だったんだよね。

それ考えると、再集結のときのラッツ&スターは完成度高かったなぁ。他にもコーラスが入ってたのかな。

週末ダイナマイト

ラッツ&スターが私の住む町でコンサートをすることになったとき、テレビの宣伝で流れたのが“週末ダイナマイト”だった。

『ダンス!ダンス!ダンス!』は、シャネルズとラッツ&スターすべてひっくるめて1位、2位を争うほどよく聴いていたアルバムなので、“週末ダイナマイト”もそれこそ飽きるくらい聴いている。

この曲がシャネルズ名義での最後のシングル曲だということは、最近まで知らなかったけど。

シャネルズの曲は、ダンスパーティーを描写した歌がわりと多い。
正直、私みたいな田舎の子にはまったくピンとこない。

でも、だからよかったんだろうな。

あこがれっていうのはとくになかったけど(そもそも別世界すぎて)、映画を見る感覚で歌を聴いていたような気がする。


そして、この“週末ダイナマイト”。
動画を見てから、ガラリと印象が変わった曲でもある。

とにかく、振り付けが秀逸なのだ。

フロントのコーラス隊が、マリオネットのようにゆらゆら踊る。

もうリアルに“おもちゃのチャチャチャ”の世界。都会のダンスパーティーが、一転しておもちゃのおまつりだ。

とくに「胸騒ぎが(わっくわく)」の振りがあまりにもキュートで(ピンクのジャケットがまたいい)、見ているこっちがわくわく胸騒ぎだよ。
もう、興奮しすぎて血圧上がりそう。どうしてくれる。

あの振りを、いわゆる美少年ではなくヒゲとサングラスのシャネルズがやっているというのが、またいいんだよね。

とくに久保木さんのダンスは「とめ、はね、はらい」がきちっとしているから、だんだんと本物のマリオネットに見えてくる。

もう可愛すぎて卒倒しそう。
田代さんはやっぱり天才だなと、改めて実感した。

今夜はフィジカル

小学校・中学校時代は、母から奪ったシャネルズ時代のレコードだけを聴いていたので、ラッツ&スターになってからの曲を聴いたのは、多分、高校生になってからか、もしくは大人になってからだったと思う。

だから、“め組のひと”も知ってはいたけど、自分でCD買うまではちゃんと聴いたことがなかった。

当然ながら、小学校に入るより前から(母に)聴かされ続けたシャネルズ時代の曲の方が、思い入れは強い。


そうは言っても、ラッツ&スター以降の曲が嫌いなわけじゃない。

シャネルズ時代に比べて路線はかなり変わったけど、いい曲はたくさんある。

アルバム『SOUL VACATION』に収録されている“今夜はフィジカル”は、ラッツ&スター以降の曲の中ではインパクトもあるし、かなり好きな方。

それまで「フィジカル」とか「マッチョ」なんて言葉を耳にしたことなかったので、1つひとつ辞書で調べていった。

いや、もしかしたらフィジカルは英語の授業で習ってたのかもしれないけど。

とりあえず、歌詞の雰囲気から「そういう歌なんだな」というのは、なんとなく理解できた。

ただ、「マッスルマン」と「マッチョマン」の違いがわからず、アホみたいに悩んだ。

夜、布団の中で歌を聴き、歌詞の情景をそのまま脳裏に思い描きながら眠りに落ちるのが習慣だったのだが、その妄想のなかでマッスルマンとマッチョマンをうまく描き分けできなかったのだ。


そして、見つけてしまった。

ラッツが”今夜はフィジカル”を歌っている動画を。

久保木さんのアップから始まる、めちゃくちゃ貴重でしょっぱなから私をドキドキさせてくれる映像なんだけど、フロントの4人がドイツの軍服みたいな衣装を着てるの。


歌詞の内容とコスチュームが、なんとなくビレッジピープルと重なった。

ビレッジピープルの“Y.M.C.A”も、定期的に聴きたくなる曲のひとつ。


ビレッジピープルは、メンバーチェンジしながら今も活動を存続してる。
だけど、私はラッツ&スターにはそれを望まない。

鈴木さん自身も『シャネルズ/ラッツ&スター』のなかで、そう言ってたよね。今も同じ気持ちでいてくれると、信じたい。

ラスト・ワーズ/星くずのダンス・ホール

ラッツのバラードといえば、知名度でも人気度でも、まず“涙のスウィート・チェリー”と“Tシャツに口紅”が挙がると思う。

私も、もちろん好き。


でも、いちばん好きなのはアルバム『Hey!ブラザー』に収録されている“ラスト・ワーズ”。

“涙のスウィート・チェリー”や“Tシャツに口紅”には、胸が締め付けられるような切なさがあるけど、“ラスト・ワーズ”は同じスロー・ナンバーでも鬼気迫るものがある。

「お前の震える…」「笑顔がこんなに…」の二段階で転調するところとか、あとハモリの効果もあるのかなぁ(あのハモリは誰なんだろう)。


とにかく、私にとって深い印象的を残した曲。

どれだけ印象深かったかというと、小学校6年生の時。卒業文集に寄せるメッセージに一言タイトルをつけなきゃならなくて、そこに“ラスト・ワーズ”って書いたほど。

渋すぎだろ、小学6年生。


あと、“星くずのダンス・ホール”もいい。

『ダンス!ダンス!ダンス!』に収録されていた曲。

ひたすらロマンティックな曲で、サビの部分のコーラス「ポンポンポンポン」とギターの音色が、まるで夢見てるような気分にさせてくれる。

シャネルズの真骨頂。

“夢で逢えたら”も、“星くずのダンス・ホール”に近い雰囲気がある。
すごくロマンティックで、夢みたいな曲。

今となっては、夢そのものかもしれない。